風雪 武士

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✧一年後。

「ああ!桜庭、5ラウンドKO負け!!王者シルヴァの牙城は崩せず、日本初のウェルター級世界チャンピオン誕生とはなりませんでした!!」
TVアナウンサーが残念そうに実況した。
プロボクサー桜庭道也の世界初挑戦は失敗した。
数日後、桜庭は知人の紹介で渡トレーナーとジムで面会した。
「渡さん、お願いします!!俺を日本人初のウェルター級の世界チャンピオンにして下さい!!」
桜庭は懇願した。
「お前は若いし才能がある。いいだろう引き受けよう」
渡は快諾した。
「ありがとうございます」
「ただし、報酬は高いぜ!」
「構いません!」
翌日、桜庭は解体作業や引っ越しのバイトを始めた。
体幹を鍛えてパンチ力をつける為だ。
その後、ジムでハ−ドトレ−ニング。
渡トレ−ナ−の練習メニューは想像以上にきつかった。
数カ月後、バイトで稼いだお金で渡米した。
日本人でウェルター級の練習相手は少ないので、アメリカのジムで武者修行の為だ。
「よし、桜庭、今日から1ラウンド4分でスパーリングた!!」
渡トレ−ナ−は命令した。
「ええ!?3分でいいじゃないですか」
桜庭は反論した。
「馬鹿野郎!!そんなんで世界チャンピオンになれんのかよ!!これはスタミナをつける練習なんだよ!シルヴァよりもきつい練習しなくて勝てるわけねえだろ!!俺のメニューにはすべて意味があるんだ!!」
「なるほど、分かりました」
桜庭は死に物狂いでアメリカ人ボクサーとスパーリングした。
一年後、桜庭は世界ランカーとの試合、世界王座挑戦者決定戦を勝利し、ラスベガスで、ついにシルヴァとのWBC世界ウェルター級王座決定戦の日を迎えた。
桜庭とシルヴァはリング上で対峙した。
「シルヴァ、お前にリベンジする為にこの一年間ボクシングに捧げてきた。ベルトはもらうぞ!!」
桜庭は挑発した。
「軟弱なお前が俺様に勝てるわけないだろ!!ブチのめしてやるよ!!日本人にまた絶望を味わせてやる!!」
二人は激しく睨み合った。
「俺はシルヴァをKOで倒す!!」
桜庭は観客に予告した。
大観衆が沸いた。
「あの野郎!!調子に乗りやがって!!」
赤コ−ナ−に戻ったシルヴァは激怒した。
「落ち着け、何か策があるのかもしれん。気をつけろ!」
トレ−ナ−は諭した。
「ぶっ潰す!!」
カ−ン!
ゴングが鳴った。
シルヴァは我を忘れて猛突進した。
桜庭はガードして迎え打つ。
「お前なんか1ラウンドKOだ!」
シルヴァはパンチの猛ラッシュ。
右ストレート、左ボディブロー、右アッパー、左フック、雨のようにパンチを繰り出すが、桜庭は巧みに猛攻をすべて防いだ。
シルヴァは右ストレートを打ち終わり、戻した瞬間、右のガードが下がった。
「今だ!打て!!」
セカンドの渡が叫んだ!!
桜庭の強烈な左フックがシルヴァの顎を捉えた。
その瞬間、シルヴァはゆっくりと倒れた。
そのまま、10カウントを聞いた。
ついに、日本人初のWBCウェルター級世界チャンピオンが誕生した。

















5/14/2026, 11:19:17 AM