幼い頃、よく”さがしもの絵本”で遊んでいた。 その中でも、とくにお気に入りの”さがしもの絵本”があった。
満月の晩から冒険が始まり、最後は夜明けで冒険は終わる。
幼いわたしにとって、真夜中の冒険はこころが踊るようにキラキラしたものだった。
絵本のページを開く度、わたしも一緒に冒険している気持ちになった。
わたしは空想が得意だった。絵本のなかにわたしがいる空想をすると、さらに、わたしも一緒に冒険している気持ちになった。
片付けをしていたら、この絵本が偶然出てきた。
ページがボロボロになって、ページが千切れかけていた。セロハンテープをペタペタ貼って、なんとか応急処置がしてあった。
ゆっくり絵本のページを開いていくと、これまで何年も触れてなかった記憶が目を覚ました気がした。
記憶が目を覚ましたとき、わたしは気がついた。
わたしがこの絵本のページを初めて開いた日と、同じ”こころ”があることに。
真夜中の冒険に憧れる、そんな”こころ”が。
子どもから大人になって、変わったことはたくさんあるけれど、変わってないものも確かにある。
それは、なんだか、草むらに寝転がってゆっくり流れる雲をみながら眠りに落ちるような、安心で、心地よい、心温まる”こころ”だ。
この”こころ”を持ち続けることで、幼い頃の自分も今の自分も好きになれるような、そんな気がする。
____________________________sweet memories ____。
5/2/2025, 3:22:01 PM