美術館の出口付近に飾られていた1枚の絵。
2頭の蝶が、勿忘草の上で楽しそうに舞っている絵だ。
タイトルは『蝶よ花よ』。
小学生時代、私は絵画教室に通っていた。
その教室の先生は画家をやっていて、いつも様々な絵を私に見せてくれていた。
小学校卒業と同時に私は絵画教室を辞め、それからは毎年年賀状のやりとりをしていた。
でも今年の始めに先生が亡くなったことを知った。
そして今日、市内にある美術館で、先生が生前最後に描いた絵が飾られることになった。
その絵が、この『蝶よ花よ』だった。
先生は、花言葉にすごく詳しかった。だから覚えてる。勿忘草の花言葉は、「私を忘れないで」
大丈夫、ちゃんと覚えてますよ、先生のこと。
私は心の中でそうつぶやきながら、ずっとその絵を眺めていた。
8/8/2024, 12:51:32 PM