いちご

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仲間


助けてもらわないと何もできない。
かの有名な船長も、そう言った。

人間とは社会的動物である。人の集まり─いわゆる社会を形成し、群れて生活する。そのため、1人になろうとする人は狼とされ、笑われてきた。歩幅を合わせられない人は能力が低いとされ、疎まれてきた。
動物にはそれぞれの武器がある。ワニの顎、チーターの脚力、ムカデの毒など、その種類は多岐にわたるが、人類の武器としてあげられるのは知能であることが多い。しかし、社会性こそ人間が最も誇るべきものだろう。祖先である猿は、手先足先が器用であるために道具を使える、という武器を持っていた。武器、道具とは物事の要として置かれるものではなく、目的を達成する為の手段の一つに過ぎない。ワニは顎を使い全てを噛み砕く、チーターは脚力を活かし自然界最速で移動する、ムカデは体は小さくとも一度刺されるだけで痛みが途轍もない。人間は知能を活かし、コミュニケーションをとり、社会を作り出した。種族は個としては弱いが、社会があれば知恵を持ち寄り、新しい武器を作る。同族を殺す強靭な精神を得る。
これだけ強力なものを活かさない手はない。
社会が築かれた今、「頼る力」こそが新しい武器となるだろう。

12/10/2024, 11:59:31 PM