虹の架け橋
どこを向いても、視界に入るのはレインボーフラッグだった。レインボーという名前だが、表しているのは多様性の象徴で、虹ではない。主に目に付くのは七色ではなく六色のものだ。虹にはない灰色なども鮮やかな色の中で目につく。色の数もバラバラで、とにかく視界が賑やかだ。
ーーもっと、アウェイ感があると思ってた。
彼氏募集中の川上龍之介は、ひとりでレインボーフェスタに来ている。本当は友人と来るはずだったのだが、コロナにかかり、来られなくなってしまった。
ゲイセクシュアルは見た目では分からない。彼氏と来ていれば違ったのだろうが、生憎彼氏とは別れたばかりだ。女装している人が多かったらどうしようか、と前日の夜まで参加を迷っていたのだ。
全く、そんなことは無かったのだけれど。
賑やかであった。
活気があった。
みんなが笑顔で、明るくて。
祭りのようだ。
女装している人がいれば、男装をしている人もいた。
同性と手を繋いで歩いている人もいる。
ステージではセクシャルマイノリティを公表している芸能人や、スポンサー企業が登壇し、ショーやイベントを行っている。
「あ、すみません」
「こちらこそ」
遠くを眺めすぎて、すれ違う人とぶつかってしまった。華奢な男の子で、カラコンなのだろうか、こちらを向いた瞳が青色なのが印象深い。
川上龍之介とぶつかってしまった美園は、スマホを片手に到着したと言う山部冬真を迎えに公園内を出入り口に向かって歩いていた。
スポンサー企業の社員として、ブースを担当している長谷川貴春は、休憩時間に岡野辰希とビデオ通話をしていた。
木村怜は松林奏志と参加し、木村純は桂木愛音とそれぞれ参加していた。広い会場内で、二組は会うことはなかった。
竹原敦也は行き渋る一葉をまだ説得し切れずにいる。
田所秀介と三谷清史は、中継映像をテレビで見ている。
笹倉圭と萱野和香奈は、パレードから参加するつもりで、まだ会場には到着していない。
浦賀湊に無理矢理連れて来られた有島結作は、お祭りムードにあてられ、その仏頂面が少しずつ緩んでいた。
安永海星と奥村紫堂は色違いのペアルックを着、まるで子どものように楽しんでいる。
お互いに仕事明けのハヤトと朝霧夏那翔は、太陽の眩しさに目を瞬かせている。
幼馴染みの影に隠れている男の子も、お互いの性別が逆だった時の服を着合っている二人も、別れた恋人と再開してしまい、口論をしている人もいる。
色んな人がいたりいなかったり。各々が、誰かの記憶に残るキャラクターであれば良いと願って。
(※MW作、中〜長編作品のオールスターでした。)
追記(オールスターと書きつつ、二組書き損ねていたので追加してます。)
9/21/2025, 11:35:07 PM