うどん巫女

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神様が舞い降りてきて、こう言った(2023.7.27)

ある日、神様が舞い降りてきて、こう言った。
『そなたの願いを一つ叶えてやろう。明日のこの時間までに、願いを考えておくがいい』

「…って夢を見たんだよ」
「夢かよ」
あっけらかんと述べた俺に、目の前の少年、ユウタは少し呆れたように答える。
「まぁ夢は夢なんだけど、今日の夜同じ夢を見ないとも限らないし、ユウタなら何を願うか聞きたいなぁと」
「えー…?」
ユウタは困ったように首を大きく傾げて、長考する。
「うーん…特に欲しいものもないし、今のまま幸せに暮らせますように、ってぐらいか?」
「なるほど、枯れてんな」
「悪かったな、夢がなくて。そういうお前は、何を願うつもりなんだよ?」
「願うつもりっていうか…もう願ったよ」
「は?」
「『ユウタが生きていた頃の夢を見せてください』ってね」


薄暗い部屋の中で、ゆっくりと意識が覚醒する。神を自称するだけあって、あの謎の人物はちゃんと夢を叶えてくれたらしい。
あたたかな夢の余韻に浸りながら、頬を冷たいものが伝うのを感じた。

7/28/2023, 8:29:03 AM