どうすればいいの?
鐘の音が苦痛の始まりを告げている。
硬い椅子に座って、壇上でふんぞり返る大人を睨みつける。
正直者は馬鹿を見るらしい。
周りのご期待に添えば、それでいいらしい。
情報は生のまま使えばいい。
だから、つべこべ考えなくていいらしい。
とにかく決まったマスの中に、決まったことを黙って書き込めばいいらしい。
正誤は必ず相手が決めて、お前は黙っていればいいらしい。
理屈は本音を超えられない。
いくら説かれても困るだけだ。
諭すだけの無理解など
何の役にも立たない。
自分の頭は何のために付いている?
お前も、私も。
導く暇があったら、一度練り直せばいいものを。
ふいに苦しくなった。
私はどうして、こんなところで必死に息をしているんだろう。
私は一体、此処へ何をしに来ているんだろう。
私は何故、こんな人たちに囲まれているんだろう。
鐘が鳴って苦行の終わりが知らされる。
体が一切傷つかない拷問とは、自我の形を他者の力で変えることだ。
守るしかないのだ。
しかし方法は渦中にいると見えない。
枠に首を絞められ、疑問を踏み潰され、他人好みの形に削られる。
それに違和感さえ持てなくなっていく。
けれど気づいたら
もう二度と戻れない。
たくさんの戸惑いと不安と
目を逸らしてきたもの。
いざ取り戻したら放り出されそうな恐怖。
人間は他人の彫刻材料ではない。
偉そうなコイツも私も、この画面を見ているあなたも。
だから迷いを責めないで
ひとつひとつ息をしていればいいから
そこに居るだけでいいのだから
どうか在り方を譲らないで
我儘なくらい自分でいてね。
11/21/2024, 2:45:22 PM