えい、と先程まで折っていた紙飛行機の教室の窓から飛ばす。窓から見える空はとても綺麗で澄み渡っている。
「今日もかっこいいな…」
はあ、と息を着く。私の席はちょうどグラウンドが見える場所にあるので放課後はそこで勉強をするという名目で先輩の部活動中の姿を目に焼き付けている。…先輩と喋ったことは一度もないけれど。
まあ叶うはずも無い恋心って奴だ。華の高校生だし、許されるだろう。片思いぐらい。
「あ、落ちた」
先程まで宙を漂っていた紙飛行機は突風に吹き飛ばされ、無惨にも地面に叩き落とされた。
私の恋心もこの紙飛行機のように届かないものなんだろうなと、私にしては珍しく文学的な思考に陥ってしまった。
【題:届かぬ想い】
4/15/2024, 12:30:04 PM