初夏の風がふわりと前髪をくすぐる。
気候に似合わない喪服の袖を整え、大学の入学式用で買ってもらった黒いヒール靴でお寺の石段を降りていく。
高校時代の親友が亡くなって3年経った。自殺だった。
何があったの。何を考えていたの。何が、あなたをそんなに苦しめたの。
そんなきりがないことをぐるぐると考え続けてしまう夜を何度も超えてきた。
でももし今会うことができるなら、どんな理由でもいいから本当の姿のあなたと会いたい。そう思う。
初夏の風に乗せて、空へふわりと思いを浮かばせる。
どうか届きますように。
もう一度あの子が、本当の姿で笑える日が来ますように。
4/29/2026, 11:28:25 PM