「ささやき」「big love!」(4/21、22)
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「ささやき」
今日も平和で平穏だった。さて、もうこんな時間だ。
「ニンゲンしゃん、もうねんねなのー?ボクもねんね!」
小さな機械が後をついてくる。
「いい子はもう寝る時間だよ。」「ん!」
この子をベッドの上に載せてから、自分もベッドに入る。
「ニンゲンしゃん、おやしゅみー。」「おやすみ。」
大したことをしたわけじゃないのに、夜になると疲れて眠くなる。ぼんやりと他愛もないことを考えながら、いつのまにか眠りについている。
眠りに……。
……しゃん、ニンゲンしゃん……。
眠りに……?
「ニンゲンしゃん。」
……ん……?
ささやきが聞こえる……。
「ニンゲンしゃん!」「なに……?」「おきたー!」「起きた、じゃなくて、おちびが『起こした』んだろ?」「ん!」
「ニンゲンしゃん、じゅちゅ、のまない?」「ん……?ジュース?」「ん!」「なんでいきなり?」「のみたいから!」「……こんな時間にジュースなんか飲んだら太るぞ?」「むー!」
「きょう だけ!のみたいの!」「……分かったよ。」「やたー!ありがと!」
仕方ない。起きるか。
「えへー!じゅーちゅ!じゅーちゅ!」
……夜にジュース飲むだけなのに、すごく楽しそうだ。
「どれにする?」「ぶどー!」「はい。」「ありがと。」
「んー!おいちー!よるのじゅーちゅはかくべちゅ だねー!」
どこで「格別」なんて言葉覚えてきたんだろう。
「ニンゲンしゃんも、のんでー!」
キラキラした目で見つめられる。はいはい、いただきます。
「……美味しいね。」「でちょー!おいちいのー!」
「じゅーちゅのおもいで できたねー!うれちいねー!」
本当に嬉しそうに話す。「よかったね。」「ん!」
「飲み終わったら、歯磨きして寝ような。」「はーい!」
……たまには、こういうのもいいか。
今度また言われてもいいように、ジュースは多めに買っておこうかな。
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「big love!」
「ニンゲンしゃーん!」「?どした?」「ぎゅー!」
「え、えへ?なになに?」「ぎゅー!」「よしよし。」
しばらく顔を埋めたあと、おちびはこっちを向く。
「ぎゅー!しゅるとね、ちあわちぇなんだってー!」
「ふーん。どう?幸せ?」「ん!ニンゲンしゃんはー?」
「多分幸せだよ。」「んー。」
「ボク、ニンゲンしゃんにもーっとちあわちぇなってほちいの!」「だからねー、もーっとぎゅーしゅるー!」
「ニンゲンしゃん!もーっとこっち、きてー!」
自分はおちびの目線とおなじ高さになるために、しゃがむことにした。
「じゅんびできたー?」「できたよ。」
「いくよー!」
「ぎゅー!」
ちっちゃい、あったかい、やわらかい。
そして何より、かわいい。
この子は、小さな体で目一杯愛情を表現してくれているんだ。
……だから、お礼でもしようかな。
「ありがとう。」「ぎゅー、たのちいね!」「よかった。」
「おちびー。」「んー?」「よしよし。」「んー!」
「からの抱っこー。」「わ!わー!」
この子、本当に抱っこが好きだよな。
小さな子どもらしいというか、甘えん坊らしいというか。
……やっぱりかわいい。
「ニンゲンしゃん?」「?」「にこにこなのー!うれちいのー?」「まあね。」「ボクもうれちい!」「よかった。」
「ボク、ニンゲンしゃんだーいちゅき!これからもいっちょだよー!」「ありがとう、よろしく。」
おちび、これからもよろしくね。
4/23/2025, 12:02:27 PM