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お題:遠くの街へ


「あぁ〜、どこか遠くへ行きたい……」
「どこか……旅行かなにかですか?」
 任務終わりで休憩室で項垂れる俺の相手をしてくれる七海サン。優しい。
「いや、それもいいんスけど、こう、とにかくどこか、ここではない別の場所に行きたいっスね」
 連勤でげっそりとした俺が答える。七海サンはもっと多く働いているはずだ。
「どこか遠く……行きたいですね。具体的な案はありませんが、現実を忘れられる場所がいいです」
「そう、それです。現実逃避。忙しさを忘れられる場所に行きたいッス」
「この連勤が明けたら行きましょうか?遠くの街へ。もちろん、君が良ければですが」
「もちろん! 俺が嫌なわけないじゃないっスか! これで残りの任務も乗り切れそうっス!」
「では決まりで。あと少し、気張っていきましょう」
「っしゃ! 張り切っていきましょう」
 少しばかりか顔色が明るくなった二人は、残りの任務を片付けるため現場へと向かっていった。

2/28/2024, 11:17:30 AM