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海の底

しんしんと、雪が積もる。
何も聞こえない。
空を見上げれば、いつまでも夜。
ただ僅かな光が捉えられるのみである。

ここは生命の終着点。
役割を終えた亡骸たちの行き着く先。
無数の命が眠りにつき、目覚める時を今か今かと待っている。

海の底には、未知が眠っている。
奇々怪々な生き物の数々。
太古の星を語る鉱物たち。
大昔に沈んだ誰かの宝物。
ここには、世界中の秘密が流れ着く。

心地よい静寂の世界は、役目を終えて眠りについた命の揺籠である。
未知の溢れるこの場所は、世界中の秘密が集まって形作った別世界だ。

いつか誰かに暴かれるその日が来ないよう
底も見えぬ深い暗闇に
何も聞こえぬ静寂の中に
世界中の秘密と眠りについた命を守っている


1/20/2024, 12:38:53 PM