語り部シルヴァ

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『夏』

照りつける太陽に焼かれた
アスファルトの上を歩いて三十分ほど。
大人しく電車を使えば良かったと後悔している。
目的地まであと一駅のところを何を思ったか
歩けばいいと考え今に至る。
その一駅がかなり遠く地図アプリで確認してみると、
なんと歩いて50分ほどだった。

先に確認すればよかったと後悔しつつも
足を進めないとこの灼熱地獄から
抜け出せないから歩き続ける。
ここら辺はなぜか自販機が全く見当たらず、
ここまで飲み物の補充はできていない。
唯一所持していた駅を出る前に買った
ペットボトルのコーラを口に運ぶ。

...ぬるい。三十分も日に当てられたらぬるくなってしまうか。
ため息をついて地図アプリでルートを再確認する。
目的地まであと25分。

流れる汗がジリジリと太陽に焼かれる感じがした。

語り部シルヴァ

7/14/2025, 10:31:44 AM