愛言葉
当初、君は「◯◯さん」と必ず名前にさん付けで呼んでいた。そもそも飲み屋で本名を言っていないから、厳密には名前じゃなくて偽名(と言ってもゲームのHN)であって別に好きに呼んでくれて構わなかった。誰かに自分のことを話す時も「◯◯さんが」と言っているのしか聞いたことがなかった。本名を知ったはずの今でも本名では呼んでこない。自分も君の本名を知っているし、なんなら漢字でも書けるけど君のことは飲み屋のアダ名で呼ぶ。出会いがそうだったから今更本名で呼んでも違和感が勝るのと、単純に気恥ずかしいからね。
しかしながらここ最近、君は誰かに自分のことを話す時に「この人」やら「コイツ」やら、挙げ句の果てには「コレ」で済ませていることが多々ある。事あるごとに「バカが」「バーカ」とも言ってくる。これだけしか書かないと(扱い酷くない?)となるが、なんだかそういう言葉を使っている時の君は楽しそうで、自分も横で色々と文句はいうものの決して嫌ではない。周囲からも「嬉しそうにするな」と笑われるから、満更でもない顔をしているんだろう。
愛言葉ねぇ、愛言葉ってなんだろうな。合言葉じゃなくてわざわざ"愛"って書いている辺り秘密基地とかではないだろうしなぁと思案して辿り着いたのは『名前の呼び方』と『バカ』の2つ。特に『バカ』と呼ばれた時は「ごめん」と「許して」を込めて抱き締めることにしているから、まぁ愛言葉ってそういうこと?
10/26/2024, 12:43:36 PM