まるで海を閉じ込めたみたいだ。身を焦がす陽の光に、宝石のようながらくたを翳した。珊瑚礁の森に、オキアミの群れ。陽射しを遮るほどに大きなシャチ。海の底に沈んだ都は、どんな世界を見ているのだろう。 僕らの知っている海の天上よりもきっと大らかで、ずっと冷たい世界の底で永い時を過ごしている。 小さな海は、掌の中で小さな熱を得た。海は、僕らの知らない目を持っている。 盲目の魚は、優しい陽の光を知っているんだ。
3/27/2023, 10:36:17 AM