『旅の途中』
「ふぅ...」
重い荷物と腰を下ろして近くの大木に体を預ける。
ここは自分の知らない場所。
家からどれだけ歩いてきたか、
どれだけ経ったかもほとんどわからない。
それにゴールも全く見えない。というか定めてない。
ただひとつの目的は"自分が満足するまで"。
それが満たされるまではこの旅を終わらせない。
人に話せば笑われたこともあった。
「そんなんで見つかりっこない。」
「時間も人生も無駄にしてる。」
好きに言え。これは自分の人生だ。
見つからずとも、人生を棒に振ろうとも
自分がやりたいことを今やっているだけ。
何も知らなさそうな澄んだ空に不満をぶつけつつ
重い荷物と腰を今度は持ち上げる。
さ、旅を続けよう。
休憩に使わせてもらった大木に軽く一礼して歩き始めた。
旅はまだまだ続く。
語り部シルヴァ
1/31/2025, 10:10:46 AM