彼の周りはいつも賑やかで
私は中心に居る彼の姿を追わずにはいられなかった。
別れた今も反射的に目で追ってしまう。
こんな自分が情けない。
私は女子校卒で男性経験が全く無く、男性と会話するのもかなりの勇気を要した。
彼は社交的な人で、学科の中心に居る人だった。
私とは真逆なタイプ。
おおらかで楽観的。
でも勝負事は強い。
憧れた。
近づきたくなった。
モブな私に気づいてほしくなった。
たぶん恋。
私の、片思い。
彼と夜の大学構内で、色々喋った。
付き合ってくれる彼の優しさが嬉しかった。
私の、片思い。
きっと上皿天秤を使ったら、私の方がガクンと下がるに違いない。
私の、片思い。
苦しくて苦しくて
彼のことを考えない日はなくて
スマホでLINEしたり、電話したり、
今日はどうかな?
今、連絡したら迷惑かな?
百面相して、親や姉に心配された。
大丈夫、大丈夫と繰り返す自分が
一番大丈夫じゃないって分かってる。
せっかく君に近づけたのに
君の特別になれた気がしたの。
でも
君の経験値に追いつこうとするのはしんどくて
自分が変わらなきゃいけないのかなって
怖くなった。
どんどん
後戻りできない怖さが
君への恋情を越えてしまったの。
手を繋ぐだけでも
ハグをするだけでも
愛しいが胸に溢れて
ギュッと苦しくなった。
それが
不安と怖さに入れ替わって
愕然とした
冷静さを失うほどに。
君は納得していない
私も納得していない
だから、もう少しだけ
今だけ
ワンチャン願ってもいい?
叶わなかったら
それで終えられるから。
#終わりにしよう
7/15/2024, 3:53:04 PM