shimotuki megumi

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桜が咲く。
合格や成功、出会いのイメージが浮かぶ。
反対に。桜散るは
不合格や失敗。別れのイメージが浮かぶ。

彼女は満開の桜綺麗だけど、桜が散って花弁が宙を舞う姿の方が幻想的で好きだと言った。

彼女は自分の好きなものに忠実な人だ。
テレビで流行しているものに、敢えて近寄らず。
自分の好きに正直に生きている。

周りが良い思ったものが正しいのだ。という刷り込みなど気にしなかった。
たとえそれが協調性のなさと受け取られても。
彼女はひたすら真っすぐに生きている。

そんな凛とした姿に憧れた。
孤独ではなく、孤高という言葉が似合う。

桜散る、桜吹雪の中を颯爽と歩き。
周りの有象無象を傍観しているかのように。

「興味がないのに、さも好きなことのように振る舞えるほど大人じゃないんだよな。私は。」

彼女はそう言った、そして続ける。

「あんたは大人なんだよ。しかも子供の頃から大人のように振る舞って忖度してきた、我慢強い子だったんだな。」

同じ年なのに、年上と話しているような感覚だ。

「好き勝手やるのは、自分で責任とるなら。やっていいの。でも無責任な奴はいっぱいいるじゃん。
その責任をあんたが負う必要なんかどこにも無いんだよ。」

欲しかった言葉をくれた。

「あんたの体も心も時間も、全部あんたの為のもの。あんたを蔑ろにする連中の為に使ったら駄目だ。
私は自分の好きなもの、人の為に使う。」

時間は良い事に使っても、嫌なものにつかっても
同じだけ流れるていく。
どんな有名人や大学教授やらが、自己啓発を本で語っているよりも。

私には彼女の言葉が響くのだった。

「私、貴女みたいになりたい。」
「あんたはもう成ってるよ。ただ自己犠牲が癖になってるから、幸せになるのに臆病なだけ。」

頑張ってるんだから、もう頑張らなくていい。
今まで尽くしてきたものを受け取る準備をしておくだけでいいんだよ。

桜吹雪の中で、神言みたいに欲しかった言葉をもたらす彼女がまるで晩春の妖精のようだった。

4/17/2024, 10:55:19 AM