あの子はいつも僕より先の遠くを歩いている。
今日も遠くから足音がする。
顔を上げるとあの子が遠くに居た。
待って、待ってよ!と追いかけるも僕より早く走り距離が縮まるばかりか遠くなっていく。
一生懸命に追いかけていたら何も無いところで転んでしまいそうに━━━━━━━━━━━━━━━
身体が浮遊しベッドに沈む感覚にびっくりし目が覚めた。
あれ?おかしい。さっきまであの子を追いかけていたのに。
口元が何かで覆われピッピと横で機械が鳴っている。
……病院?なぜ?
僕が目を覚ましたのに気づいたのかそばに居たらしい母がボタンを押している。
慌ただしく看護師や医師が出入りする中、頭の後ろか
「間に合ってよかった」と声が聞こえたような気がした。
10/2/2025, 1:31:41 PM