code

Open App

寂しさ

「……今日も帰り遅いんかな、」
あの日から随分経って
特に異常もみられることなく、退院できた。
でもやっぱり、精神面では不安が多くて
本調子じゃないから、家にいていいよって
かいはいってくれたけど
料理は苦手やし、掃除は好きやけど
そんなこと終わったらやることもなくて、
「……タイミング悪、」
かいは仕事が順調みたいで、最近帰りが遅いんよね
「……もう19時か、帰るのもっと後やしな、」
分かってる。仕事が大事なのも。
俺のためにたくさん働いてくれてるのも。
知ってるよ、全部知ってる。
頑張りは俺が一番分かってる。
でも、もっと側にいてほしい。
少しだけ、かいを独り占めしたいし、
仕事で疲れたかいを癒したい
日に日に疲れてるかいをみて、
何も出来ない自分を責めてしまっている。
「……もう、寝よ、
かいの、ふく、」
かいの服が落ち着くから
服と一緒に、寂しさも抱えて、眠りに落ちた。
気付いたら、もう日が回っていて
まだかいは帰ってきてなかった。
「…っ、かいっ、」
寂しさと、不安で涙が溢れてきた。
ガチャ、と玄関のドアが開く音。
「れんっ、ごめん遅くなった……
ぇ、れん、どうしたの、?」
そういって、駆け寄って抱き締めてくれるかい
あぁ、かいの疲れをとりたいのに、
かいに心配かけて、もう嫌や。
「…ううん、何もないよ。仕事で疲れとるやろ?
はよ風呂入り?待っとるから。」
「……うん、」
少し経った後、かいが風呂から上がってきた。
不意に後ろに温もりを感じた。
「……ねぇ、れん?
何かあったなら、俺に言ってほしいな。
大丈夫。迷惑だなんて思ってないよ。少しずつで良いから。」
そんなこと言われたら、言うしかないやん、
「…っ、寂しかった、不安やし、、
かいが、仕事頑張っとるんも、俺のために、
毎日遅くなってくれとるんも分かるけど、、
仕事なんかより、側おってほしい、それに、
頑張ってるかいのために、何もしてやれんのがいやや、
わがままで、ごめん、」
申し訳なさにまた涙が溢れてくる。
「……れん、ごめんね。ずっと、れんのためって思ってたことも、れんにとっては辛かったよね。ごめん。
ちゃんと、休みも取ってれんとの時間も、自分の時間も大切にする。俺は、れんといるだけで幸せだし、
側にいてくれるだけで嬉しいから、れんはそのままでいて良いんだよ。迷惑なんて思ったこと無いから。
今日はもう、一緒に寝よっか。明日と、明後日休みとるから、2人でゆっくり過ごそう?」
ほんと、かいには叶わんな、
「……うんっ、かい大好き、いつもありがとおな、」
そういって、かいを抱き締めて
「…ずっと、これからも一緒な?」
今日の寂しさは、明日の幸せに変わる

12/19/2023, 3:49:44 PM