恋(れん)

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「街へ」
私は一週間前に記憶喪失をしたらしい。理由は学校に行く途中に、居眠りトラックに跳ねられ頭を強く打ったかららしい。その時私の他にも誰か居たらしいが、今も思い出せないでいる。


「……?」
私は知らない間に寝ていたらしい。相当疲れていたのだろう。
今は夜だ。
気まぐれだった。急に一人街で散歩がしたいと思い、重い足を動かした。
今日の私は黒い格好だ。理由は忘れたけどなんだか目の周りが痛い。今日は雨が降っているというのに、傘を差さずに外へ出た。
私の肩に一つ二つと止めどなく雨の雫が私に降ってくる。
私は耳を澄ます。いつもの街だが一人で歩くとまた違う風景が見える。いつもなら誰かの体で見えなかった物が見える――
キイィィィィィ――――――ン

うっ!

私は頭を抱え、その場にしゃがむ。
急に頭に激痛が走る。それと同時に私の脳裏で何かの映像と声が流れ出す。

「ほんとお前は雨に濡れた街が好きだなぁ。」
「しょうがないじゃーん。好きなものは好きなん
 だもん!」
「ま、そんなところもお前の魅力だけどな(笑)」

わたしと誰かが楽しそうに笑言をしている。
――ポロポロ

「あ、れ?ど、どうして…」

気付けば私の目から涙がポロポロと流れてきた。それは止まることを知らず、いつの間にか私は声を上げて泣いていた。ある人の名前を口にして。

「優弥!優弥ぁぁぁぁ~!ゆうやあぁぁぁぁ~!」

その名前を口にしたときまた

キイィィィィィ――――――ン

そして先程のように映像が流れ出した。先程よりももっと多く。

「……ッ!」

全てを思い出してしまった。
恋人がいたこと、そして名前は優弥ということ。そして優弥と学校に行っている最中に、居眠り運転をしているトラックに、私が跳ねられそうなところを優弥が楯になったこと。
……そして、優弥が亡くなって、葬式が今日だと言うことを。
私はその場に倒れ、気付いたら自分の部屋のベッドの上に居た。
私は気付いた、これからは優弥が居ないこと。もう二度とあの優しさに、暖かさに触れられないと言うこと。私の全てを許してくれる目を見れないと言うこと。私の全てを包み込んでくれる暖かい彼がいないと言うこと。
私はこれから生きていけるのだろうか。
私は狂ってしまわないか。

「ハハハッ…ハハ……優弥……愛してるよ……」

グサッ



こんにちは!
今日は頑張って長文を書いてみました!!
誤字脱字がないか不安でしょうがないです(笑)
でも久々に長文書いたんですけど、結構良い感じに出来て嬉しいです😆
これからも呼んでくださると嬉しいです😊





1/29/2024, 1:06:57 AM