郡司

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遠い日の記憶

10歳のある日、いつもより痛く悲しいことがあって、ひとりフトンに隠れて泣いていた。孤独感に取り囲まれてオールレッド。心から血が出ている気さえする胸の痛さ。どうしようもなくひとり。

突然声が聞こえた。「泣かないで、ぼくがいるよ」

驚きで眼を見開いたのは、後にも先にもそのときだけだ。見覚えのない一瞬の姿。誰かは判らない。

なぜか40年経っても忘れない。

7/17/2024, 1:39:41 PM