ニワトリ

Open App

視線の先には
 
「好み」を言葉で表すことは意外と難くて、「どんな人が好み?」と聞かれてもとっさに出てこない。
その場の流れに合わせるなら、当たり障りのないキーワードを並べるか、思い当たる芸能人を挙げる。
でも、実はどれもしっくりきたことなんてない。
 
言葉に表さない「好み」は分かりやすい。
なんとなく、ただ「見てしまっている」から。
視界の中に、意図的に収めようとしているから。
それを好きか嫌いかの2択に分けるのであれば、好きになり、もう少し正しい言葉に近づけると「好ましい」だろうか。
 
どうやって人を好きになったらいいのか、どうすれば好きな人ができるのか。
そんな問いを持っているはずなのに、「好ましい」は存在している。
ほんの少し、大きすぎない集団の中に所属したときにそれは見つけやすい気がする。
 
人を好きになる方法を探しているはずなのに、言葉にしなければそれはいとも容易いのかもしれない。
 
最初から気づいていた。
視線の先にいる「好ましい人」

7/19/2023, 11:47:27 AM