大丈夫まだ明るいと、来た道を急いで戻る。
家までは残りおよそ8km程度だ。
星明かりを頼りにする前に何としても帰らなくては。
親友の命が掛かっているこの約束の為にずっと走って来た。
大丈夫、間に合う。
家の屋根が見えてきた。間に合う。
残りの力を足に集中させる。
日はまだ余裕だ。
家の前には大勢の兵士が並んでいる。
その先、玄関先に親友と王が立っている。
「約束通り、日が落ちる前に帰ってきた」
そう叫びながら玄関先まで辿り着く。
親友と王が目を丸くして驚いている。
「日暮れまであと2時間あるって言うのに早過ぎないか?」
早過ぎた。
走っている時はそこまで意識していなかった。
星明かりは全く必要ないままゴールした。
(星明かり)
走れメロスのオマージュ、早過ぎたもよう。
4/20/2025, 1:18:12 PM