『きらめき』
友達に誘われて地下アイドルとやらのライブにやってきたはいいものの、常連ファンの気持ち悪いほどの一体感とそれを冷えた目で見る自分との温度差に居心地の悪さを感じて後ろの方で壁を背にアイドルたちを眺めていた。
客観的に見ていると、どのメンバーも同じ衣装で似たりよったりかと思っていたのが、歌が上手い子や踊りにキレがある子などそれぞれ個性があることに気付く。
そんな中、ふと真ん中にいた子と目が合った気がした。するとその子はすかさず指ピストルでこちらを明確に狙ってきた。目が合ったのは気のせいではないというファンサービスを見せた彼女はまた歌と踊りへと戻っていく。それまで特に何も思っていなかった子がなんだか輝いて見えるのは気のせいではないのだろうか。結局、ライブが終わるまでその子のことを目で追うようになってしまった。
9/5/2024, 3:48:38 AM