──大いなる神との戦いが終わって3年。
戦の跡を鮮明に残していたこの城下町も、今では元通り…とまではいかなくても、以前の活気を取り戻している。
隣に座ってパンを頬張る家族。
壊れたベンチを直す大工の親子。
元気いっぱいの子供たちと遊ぶ兵士たち。
皆が皆、笑顔を浮かべている。
……賑やかだ、本当に。
だけど、君はこの光景に映らない。
アング。僕の大切な仲間。
大切な友人。大切な…恋人。
彼女は大いなる神との戦いの最中、僕を庇って倒れた。 致命傷だった。
アングは、死ぬ最中、何を考えていたのだろう。
何を感じていたのだろう。
僕には何も分からない。
だけど、
君が見た景色を、僕も見てみたい。
8/14/2025, 3:09:43 PM