彼女は儚い人だって私は知っていた。いつだって気丈に振る舞っている人だから。それに甘えて、挫けないように強制していたのは、きっと私だ。変わらない日々に、ぷつりと糸が切れたように涙を溢しながら鈍く微笑む彼女。ただ駆け寄ることしかできなかった。言葉ひとつひとつを涙が止むまで贈ることしかできない。私はあまりにも無力だった。
10/10/2023, 7:16:02 AM