細言

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『夜空を越えて』
眩しい電子板が僕の目を刺している。痛い、目の奥の鈍痛が引いてくれない。でも、僕は少し携帯を傾けて目に入る光を減らすだけで、まだ見続けてしまう。これは惰性だ。窓の外はすでに暗くて、手を近づけると冷気が寄ってくる。外は寒そうだ。たしか、今日の最低気温は五度とかだった記憶だ。学校があるのに、億劫だ。
なんとなく窓を開ける。少し力を加えて、窓を押し開ける。途端に窓越しとは比べ物にならない冷気が全身、特に足元を襲う。僕は思わず脚を椅子の上に上げて暖をとった。少し目線を上げると、星が綺麗に散っていた。冬は空気が澄んでいるからだろうか、レジンに閉じ込められた光のような、柔らかくて、鮮明な星が、絵画のように見えた。暗闇のキャンパスに、星の絵の具をトントンと叩いて、散らしたような。この空を切り取って売るならば、僕はきっと億万長者になれる。でも、この空は切り取れないし、時間と共に消えていく、そして、また新しい空が現れる。無常だけど、これを素敵だと言う感性も、わからなくはない。

12/12/2025, 4:58:26 AM