あじさい
どれもこれもあじさい、という場所がある。丘珠空港の近くだ。青・空色・薄紫・薄紅・紅色・赤紫・白・薄黄・緑色……すべてあじさいの色だ。花のありようも色もそれぞれだが、近づいて見てみると確かにどれもあじさいの仲間だとわかる。なんだか、人間の姿にも通じるものを感じる。
さて、昔に母の植えたあじさいは、基本的に青色で咲く。それが昨年は唐突に濃い赤紫で咲いた。…父がその辺りに何か埋めたのだろうか? 確か、昔父の飼っていた犬が死んだときに父はあじさいの近くに亡きがらを埋めた。深く掘って埋めたが、翌年あじさいは薄赤く咲いた。何故か得体の知れないキノコも生えたが……などと思っていたら、少し離れた場所に咲いたあじさいも同様の赤紫だった。誰かが何か埋めたのではなくて、多分、冬の雪のせいだ。
あじさいの色が環境の化学状態に左右されるのはよく知られているところだが、ここ数年の雪は、「しょっぱい」雪だった。また、旭岳の稜線から家の玄関のタタキまで、冬を越える度に黒くなる。タールだ。大陸から飛んで拡がる化学物質も多岐にわたる。あじさいの生きている地面だって当然、その影響を受ける。
あじさいの色変わりは静かだけど、とても重要な事実を知らせているようだ。
6/14/2024, 4:51:24 AM