fukaziro

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これまでずっと、永遠は実現しているのだと思っていた。


社会人になって3年目、僕は10年間付き合ってた彼女がいる。お互い社会人になって、社会の荒波にもまれながら頑張ってきた。そして今日僕は、付き合って10年目の記念に彼女にプロポーズをする予定だ。
今日のために、という事は別にしない。
特別したら感の鋭い彼女のことだ、すぐに気づいてしまう。

しかし、僕も僕で悩みに悩みまくった結果だ。
恋愛ドラマやラブコメディさえも気恥しいと言って見ないし、
キスの時もハグの時もガチガチに固まってしまうから、自然な感じで受け取って欲しかったのだ。

―そしていざ、決戦の時
場所は僕の家でケーキの準備も、お酒の準備も心の準備もできている。指輪がきらりと輝く、もうそろそろ彼女が来る時間だ
心臓が早く動くのに比例して体も動いてしまう
あぁ、早く来ないかな
その時電話が鳴った。彼女だろうか、早まる気持ちを落ち着かせて電話を取る。

音が止まった。全てがスローに見える。
カシャリと持っていた指輪が落ちる。そんなわけない、、
「なんで、もっと早く言わなかったのかな、、、」
「今日プロポーズするつもり、だったのに」
永遠は続かない、今が1番大切なのだと

7/12/2024, 10:27:00 AM