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雪の激しかった冬、僕は人を殺した。死体を触ると徐々に冷たなっていくのがわかる。喉元を切った時のあの血飛沫は美しくて忘れられない。僕が人を殺したのはただ一つ。人の、彼女の絶望した姿が見たいからだ。既に事切れた死体の傷口をぐりぐり抉っていると彼女が帰ってきた。逃げるつもりはないがその方が面白いかなと思って隠れてみた。彼女を観察するとまず出迎えがないのを疑問に思う。リビングに進み大の字になってナイフに滅多刺しにされて死んでいる母を見る。気が動転する。そして壊れた様に泣き出す。その様を見てると凄く幸せになった。頃合いかなと思って出てみると案の定彼女は酷く怯えていた。少しずつ近づいていくと彼女も少しずつ狂気へ近づいていく。一歩進むと顔が凍りついた。二歩進むと突然笑いました。三歩進むと目が虚になって四歩進むと包丁を持ち始めた。五歩進むと突進してきて僕は刺された。
その時に僕が見た彼女の目は憎悪と殺意に塗りつぶされていた。その目は今まで見てきたどんな目よりも美しく気高かった。
お題君の目を見つめると
この物語はフィクションです。
ここまで読んでくださってありがとうございました。

4/7/2024, 3:40:47 AM