「忘れたくても忘れられない」
この季節になると君のことを思い出すよ。微睡みながらゆっくりとまばたきをする君のことを。
でもあの頃には既に僕達の関係は破滅へと向かっていたね。季節が少しずつ冬へ向かって移ろいゆくように。僕と君は、あの夏のような情熱を遠くに置き去りにしてきてしまった。
それにも関わらず僕に縋ろうとする君は、まるで醜かった。君ではないと思いたいくらいに。だから僕は君が、君であるうちにお別れをしたかった。急いで、急いで、急いで。今すぐに!
そうして、あの時君に触れた感触が、今も僕の手にべったりとまとわりついて離れないんだ。
10/18/2023, 9:17:17 AM