君とは違う人

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ふわふわと浮いているような、上に昇っているような
そんな感覚がずっと続いている

こんな状態になっていても
何年経ったかなんて気にしたことがない

この穴に落ちてから私はとても幸せ
だって深い深い穴に落ちているだけなのだから

「いつかは会えるかな?」

それは私にとって唯一の欲望
だってみんなは私より先にこの穴に落ちていったのだから

「あの時の私はバカだったなぁ 」

落ちる前の私はこの穴を怖がってあっちへこっちへ行ったり来たり
そんな馬鹿らしいことを続けていた

でも今の私はなんて幸せなんだろう
昨日も明日もない落ち続けるその時間がなんと幸せなことか

そんなことを考えてたら手足の感覚が無くなってきた
でも苦しくはない、感じるのは心地良さだけ

じわじわと全身の感覚が無くなっていく
いや、この感じはこの穴と混ざっているのか

そうだ、なら最後になにか叫んでやろうじゃあないか
そんなくだらないことを思いついてしまった

大きく息を吸い、ずっと思っていたことを吐き出す

「ああ!こんなことなら早く━━━━━」

言いかけて私は意識を失った。

11/1/2023, 12:25:09 PM