昔昔、私は未来を視る魔法使いだった。
画用紙一枚とクレヨンがあれば私は何にでもなれたのだから。画用紙の上の私はカラフルで可愛い服を着ていたし、目には白い星が浮かんでいた、自分の顔夜も大きなドーナツに囲まれていた。
然し、私は魔法の力を失った。鏡の中にいる私が見えるのはのは草臥れ始めた白黒のスーツ姿、カラコンで無理矢理光を入れた目、姿鏡に小さく映る食べかけのコンビニ弁当。
魔法の使えたあの頃の未来図は、既に灰になっているだろう。あの紙があれば私の今は輝いていたのだろうか。
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『未来図』
4/15/2025, 3:28:02 AM