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風が運ぶもの


オキノタユウという鳥をご存知だろうか?

別名をアルバトロス。

また、大型の海鳥であるこの鳥は、警戒心が希薄なためアホウドリとも呼ばれている。

何とも不名誉な呼び名だ。

羽毛取りなどの乱獲で一時は数が激減し、1949年には1度絶滅を宣言されたが、その後手厚い保護活動が功を奏し、徐々に生息数を増やしてきている。

このオキノタユウは翼を広げると2・5メートルにもなり、時速80キロの高速で海原を滑空する。

まさに風が運ぶものである。

白く大きく、美しいその姿から、海の女王との異名を持つ。

寿命は長いもので70年ほど。

命ある間は同じパートナーとつがいになり、1年に1度、1つの卵を協力して温め、子どもを育てる。

餌を探すために片方のパートナーが1週間もの間留守にしても、もう一方は飲まず食わずで卵を温め続けるという。

信頼関係あってこその共同作業だ。

ここに至る少し前には、お互いにパートナーを探すための求愛のダンスを踊ったはずだ。

カチカチと嘴を鳴らし合うリズムが一番合った相手と結ばれるという、何ともユニークで情熱的な鳥でもあるのだ。

150年ほど前には北大平洋西部の島々に分布していたが、現在では全世界で伊豆の鳥島と尖閣諸島および小笠原諸島聟島列島でしか繁殖に成功していない。

種としての総個体数は4500羽


現在、オキノタユウは国の特別天然記念物に指定されている。




お題
風が運ぶもの

3/7/2025, 12:25:18 PM