YOU

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君の目を見つめると、君は恥ずかしそうに目を逸らす。それでも構わず視線を送り続けると、様子を見るように、少しずつ視線が戻ってくる。
「ねえ、何でそんなにじっと見るの?」
頬を少し膨らませ、君はイヤそうな顔をする。
「そんなにイヤだった」
クスッと笑って返せば
「だって、すぐ顔が赤くなるから、見られたくないし」
赤くなった頬を隠すように手を当て、君は横を向いてしまう。
「ごめんって。君の目を見つめると、癒やされるんだ」
「え?」
俺の言葉が意外だったのか、君は頬に手を当てたまま顔をこちらに向ける。
「目が合って恥ずかしがったり、微笑んでくれたり、いろんな可愛いが見られて、好きって気持ちで心が満たされて癒されるんだ」
こちらを見た君の目をもう一度見つめて想いを伝えれば、今度は恥ずかしがらずに目を合わせ微笑んでくれる。
「ありがとう。恥ずかしいけど、これからも私をずっと見ていてね」
君が俺の方に手を差し出したので
「もちろんだよ」
俺はその手をギュッと握ると、二人で微笑み合ったのだった。

4/7/2023, 9:40:32 AM