いてぺん

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家族の最後の声を聞いたのはいつだったろうか。
ポコリンポス星との戦争が長引き、もう10年は経った頃だ。
兄と父は徴兵され、それから2年は連絡が取れたが、今はもうどこでどうしているのか、生きているのかさえ分からない。
母とは疎開する際、どこへ行くか話し合いの末喧嘩になり、母とは別の星へ疎開することになった。
母の行く星はルルポポ星といい、かなり都市開発が進んでおり、人間さえもコンピューターで管理するとかどうとか言っていた。
この星は戦争により荒廃し砂漠のようになってしまった。食べ物はなく、もう避難できるところもない。
私は、地球という星に行くことにした。自然豊であり、都市部も多いと聞く。
この話を聞いてわかると思うが、私と母の趣味は全くもって合わない。それが原因で昔から喧嘩が耐えなくて、いつも兄と父が仲裁に入ってくれた。
家族でテーブルを囲み夕飯を食べた日が懐かしくも思える。
そんな父も兄ももう居ない。
母がルルポポ星に行ってしまったのはいつのことだったろうか。
喉の飢えも、お腹の減りも、怪我もあり頭が回らない。
家族の声を最後に声を聞いたのはいつだっただろう。
私は宇宙船に乗り地球に行くしかないのだ。

6/26/2025, 10:34:31 AM