カーテンの隙間から差し込む光で目を覚ます。
時計に視線をやり時刻を確認すれば、既に10時を過ぎていた。
体を起こしベッドから出れば、冷たい空気が体の熱を奪っていく。そばに置いておいたガウンを羽織りベッドへ視線を向ければ、彼女はまだ温かい布団に包まれ夢の中にいる。
起こしてしまわぬよう静かに部屋を出て、リビングへ。24度設定の暖房をつけて食事の用意を始める。湯を沸かし、トースターで食パンを2枚焼き、簡単なサラダとポーチドエッグを作り皿に盛る。
ちょうど焼き上がったパンを皿に移していると、チリン、と鈴の音とともに彼女がリビングへやってきた。
「おはよう。お腹は空いてる?」
「みゃーん」
いつも通りの元気な返事に少し待っててねとフードを皿に盛る。先程沸かした湯に水を加えて人肌程度の温度にしてフードとともに彼女用の食卓へ。
ご飯を置いてもすぐには食べず、俺が食べ始めるのを待っていつも一緒に食べてくれる。誰が教えたわけでもないのに、自主的にそうしてくれているのだからこれ程嬉しいことはない。
自分の分の食事もダイニングテーブルに用意し、いただきます、と手を合わせればカリカリとフードを食べる音が聞こえてくる。
猫は気まぐれ。でも、そんな中でもルーティーンが決まっているらしい。
食事は俺が食べるのと同時、昼ご飯のあとには俺の膝の上でくつろぐ。そして、冬の寒い夜は俺のベッドで一緒に眠る。
寒いのは苦手で数年前までは冬は嫌いだったのに、今ではすっかり特別な季節だ。
小さな同居人と過ごす平穏な日々に、この幸せの長く続くことを願う。
#18「冬は一緒に」
12/19/2024, 3:06:38 AM