琉架

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ふと思い出した。
あの日はちょうどこんな天気だった。
離婚して子ども2人を連れて新幹線に乗り実家へと逃げ帰った時のこと。
私はもう正直、色んなことがショックで生きるのがどうでもよくなっていた。
自分の都合で泣く子どもに腹立たしささえ覚えたものだ。
私にはもう泣いてすがれる人はいない。
両親は私達を迎え入れてはくれたが、厄介者という自覚はある。
これから先のことなんて、何も考えていなかった。
ただ、ふと視線を落とすと、ベビーカーと抱っこ紐の中でそれぞれすやすやと眠る姉妹を見て、何のために生きるのか、先の人生の答えはまだまだ見つからないけれど、今はただ、この静かで平和なひと時を過ごすことを自分に許してもいいのではと思えた。

あれから3年。なかなか生意気になってきた姉妹だけれども、元気に笑顔に育ってくれて、本当に良かった。
あの日離婚していなければ、私も子ども達も今頃どうなっていたか分からないのだから。

5/4/2023, 11:51:20 AM