皮膚の上に硫酸の雨が降りしきって、爛れ模様を描いたような落ち桜。甘く濡れ、踏み潰されたばかりの夢のように敷き詰められている。仰向けに死んだ兵士の焼けて黒い肋骨の間を通って喉仏を越えるんだ。朝の硫酸の雨を浴びて、爛れる肌の上を、黒く焼けた肋骨の間を、僕たち私たちは超えてく。歩け、走れ、オヤジとオカンが追いつけないくらいの速さで。私たちは卒業と入学を超えるたびにそうやって傷ついていくんだ。硫酸と死の山を超えてるんだ。コレからも春が来るたびに押し流されるようにして、散る桜の死を踏み越えていく。
青空、涙、ニヒル、貪る肉体。
4/10/2024, 12:30:13 PM