あなたはコーヒーが好きだった
カフェに行っても、このコーヒーはどうとか、このコーヒーはこんなのとか、よく話していた
そんなあなたに染められて、私の家に置いてある銘柄も、あなたがいちばんのお気に入りだ
あなたが出て行っても、コーヒーの好みだけは残っていた
でも、偶然カフェで見かけたあなたは、別の女と時間を過ごしていた
その手元にあるのは、紅茶だった
コーヒーなんて、どこにも見当たらなくて、女と話しているのは、紅茶の話
この紅茶、香りがいいねとか、でも前の紅茶の方が大人っぽい味だったよねとか
もう、あなたの中のコーヒーの熱は、冷めてしまったんだ
私のコーヒーの熱は、いまだに冷めない
あなたが大嫌いでも、コーヒーだけは、嫌いになれない
9/26/2025, 11:21:24 PM