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安らかな瞳

…安らか。
…。

ちょっと意味を調べよう。

安らか:何事なく平穏無事であるさま。
    何の心配もなく心が穏やかなさま。

…なるほど。
安らかな瞳=穏やかな瞳、ということか。

…昨日書いた物語とニアピンな感じだ。
昨日の物語は今日生まれるべきだったのかPart2…。
…。
くだらないことを言っていないで、テーマに向き合おう。そうしよう。
今回のテーマは、物語向きだと思う。
物語を打つとしたら…。

────────────────────────
初めて君に出会った時、花のような人だと思った。

周囲を明るくするような笑顔に、鈴のような声。

穏やかで理知的な君の姿に、ひだまりで人を迎え入れる花々が頭の中を巡った。

蒲公英、白詰草、フリージア、ネモフィラ、向日葵、コスモス、ダリア、薔薇。

どの花もあまりに君にピッタリ過ぎて驚いた。
それと同時に、近寄り過ぎてはいけないという自分の声を聞いた。

自分にとって、花は清らかなものだ。
清らかなものは、神聖に繋がる。
花のような君の神聖さを保つには、壁一枚越しにそっと見るくらいが丁度いい。

だから、近寄り過ぎない。

そう、決めていたのに。

君の作るひだまりの世界はどこまでも穏やかで、色鮮やかだった。
初めは壁一枚越しから見ているだけで十分だったはずなのに、いつからかそれだけでは満足できなくなっていた。

そんな事を思っていたからだろうか。
それとも、もう少し…なんて欲をかいたからだろうか。
気づいた時には、壁から出てしまっていた。

慌てて壁に戻ろうとしたけれど、どうやら遅すぎたらしい。

君の安らかな瞳に、恥じ入る自分の姿が写っていた。

3/14/2024, 12:55:20 PM