-ゆずぽんず-

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二十一歳の時分、共通の友人の紹介で知り合った相手と毎日毎晩連絡を取りあっていた。朝起きて挨拶のトークを送ると、返事が返ってくる。連絡を取りあって間もない頃というのは、お互いにぎこちなく何処か緊張しているのか遠慮しているのかよそよそしかった。次第に打ち解けていったことで、挨拶からたわいもない話をする仲になった。

まだ交際はしていなかった私たちも、その辺のカップルのようにお互いを想い合っていた。どちらも告白をするでもなく、ただただ行為を寄せていることを直接伝えては嬉しい気持ちになっていた。直接会うことは基本的にはなかったが、親しくなっていったことで、会いたいと思う気持ちが芽生えた。
五月半ばだっただろうか、シェアハウスをしていた私は二十二時を回った頃にアパートを出た。近所のミニストップに立ち寄って酒と夕飯を買って、アパート近くの植え込みの縁に腰掛けてスマホをポケットから取り出した。電話帳をスクロールして、いつもの連絡先をタップすればコール音が聞こえてくる。「もしもし」と嬉しそうな声が耳に心地よい。酒のプルタブを上げて小気味よい音を立てながら、その声に答えて大きくひと口流し込む。なんてことの無い会話を続けているうちにさらに夜が深くなっていく。パトロール中の警察官の職務質問に答えた後に、また話を再開する。すると今度の八月に実家に泊まりに来ないかとの誘いを受けるが、相手はなにも気にしていない素振り。お盆休みに泊まりに来て欲しいというが、実の所は両親や親戚にも「共通の友人の紹介で知り合った恋人が泊まりに来る」と吹聴していたのだという。そして、家族や親戚は歓迎しているというのだから驚きを隠せない。
何も気にすることなく、遊びに来て欲しいと嬉しそうに話す相手に勝手なことをしてくれるなと憤りを感じながら、やっと会えるのだなと胸が高鳴るのを感じた。

執筆中、お待ちくださいませ。
...執筆中だったのを忘れていた。はて?これは一体なにを書こうと思ったのやら。

3/7/2023, 11:08:43 AM