衣替え
今年も肌寒くなってきたな
ハロウィンが近づいてきた今日
私は、学校に向かっていた
学校の規定でどんなに寒くても期日までは
夏服で過ごさないといけないのだ
そんなある日前日までとは比べられないくらい
寒い朝学校に登校していた。
「さ、寒いなぁ…。
去年はまだこの頃暖かったのになぁ。」
そんな心のうちを吐露していると
「向葵か、おはよう」
部長の紘先輩が声をかけてきた。
「お、おはようございます。紘先輩‼︎
(聞かれちゃったかな…)」
「今日はほんと冷え込むなぁ
大丈夫か?」
「は、はい!!
大丈夫です。ありがとうございます。」
私は咄嗟に声が出てしまった。
そんなとき先輩はアハッと笑って
「そんな嘘つかなくてもいいのに
手こんなに冷たいのに寒くないの?」
「ヒャッ」
私はびっくりしてしまった。
そんな姿を見て先輩はまた笑う
「ごめんごめん。
ほら、マフラーと手袋使いな」
先輩は自分の身につけていたものをとって渡してくれた。でも、、
「大丈夫です。
先輩も寒いのに悪いですよ」
断ってしまった。
先輩が優しくしてくれたのに
前が見えずいると
先輩がもう一度手を握り、手袋をつけてくれた
「え?いいですよ。」
「はぁ。
寒いでしょ。風邪引いたらどうするの」
その時の先輩は何故か少し楽しそうだった。
「よしよし
じっとしててね。」
そう言ってマフラーもつけてくれた
そして、そっと上着も着せてくれた。
「あ、ありがとうございます。」
「もうこんな時間か、
ごめんね。また会おうね‼︎」
そう言うと先輩はそそくさと学校へ急いだ。
私は我に帰り身体中が熱くなった。
けど、とっても嬉しかった。
今私は上着に手袋にマフラー
10月とは思えない寒さの中
立ち尽くしていた。
これは一生忘れられない衣替えになると今でも思う
10/23/2024, 9:32:31 AM