郡司

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普通なら…いや、身体の力が若く、各組織のはたらきとバイタルのバランスが許容範囲に収まっているなら絶対に、些細な現れとして通り過ぎる「つまらない」ものが、命にかかわる大問題になるときがある。その一つが、高齢者の呼吸確保だ。わが家の最長老は最近、危機に瀕した。

ここ数日、暑さ疲れの影響かその問題にかかりきりの時間が多い。サクション(呼吸確保のための口腔内ケア。粘稠度の高い唾液を吸引除去する作業。介護制度上では訪問看護によるフローのみ)を依頼するかどうかの検討と対症的試行錯誤。仕方ないことではあるが、医療行為と定義されるその作業は完全に医療機関都合が優先され、「今、助けが要る」ときにそれは来ない。名目だけ形にした選択肢で、はっきり言って全く役に立たない。しかも、「こんなこと」を医療機関は病室利用の必要としては受け付けない。

当方なりの「たぶん最善の対処」を決めた。一般市井にある同様機能の機械を購入し、いつでも家族サイドの判断に全責任を置いて、「必要なとき必要を満たす」ことにした…直後にたまたまやって来たケアマネジャーは、機械の箱を見た瞬間に全て理解した様子。えっ、その反応…もしかしてこうする家族って多いの…? 聞いてみたら多いらしい。…そうだよね、だってこれ以外に有効な方法無いもん。

とりあえず、最悪のインパクトをくらわないで進めそうな流れを掴むことはできた。しかし確実に下り坂にある。せめて、除夜の鐘を越えるようなときくらいまで……などと思うのは身勝手なのだろう。「完了」をいつにするかは、本人の裁量だから。

どこかから、「心の準備をしろ」なんて響きが湧く。
困った。私はまだぺーぺーのままだ…

8/5/2024, 5:34:40 PM