鼻先がつんと痛む、ふと空を見上げるとぼやけた月が見えた。霧が濃いのだろうか、雲が濃いのだろうか。吐息が空に消えてゆく、もう冬かと身を震わせる。星は月の光によってあまりよく見えない、僕は星の方が好きだ。星を見ていれば、自分の苦悩なんてちっぽけだって思えたから。だから今日の月夜は僕にとって残酷とさえ思う。また月がぼやける。頬が冷たい。あぁ。君と別れたのは、こんな日の夜だった事をまた僕は思い出す。
3/7/2024, 10:55:59 AM