冬眠中

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わたしへ


人見知りで、臆病で、人が怖かった六歳のわたしへ。

怖いものがたくさんあったね。
他人も怖いし、家や学校の廊下の暗闇も怖いし、嫌いな食べ物も怖いし(今でもキノコは食べられないよ)。
夜、眠りにつくのも怖くて、寝入るまでに見える木の天井のシミの形も怖かったね。

怖くて、怖くて、眠れなくて、よく泣いていたっけ。
眠れない夜は、枕元にいる「友だち」を抱きしめているうちに、ようやく眠りにつくことができた。

「友だち」――犬のぬいぐるみ。

何十年も経って大人になったけど、今も「友だち」は一緒にいるよ。

これから先も、色々と怖いことは沢山あるけど、「友だち」が傍にいてくれるから、大丈夫だからね。

ちなみに、大人になった今の方が、少し生きやすくなったと思えているよ。

相変わらず、怖いものは多いけど。
私は無事に大人になっているからね。

ご飯をたくさん食べて、よく寝て、たくさん本を読んで、ここまで来てください。

大丈夫。

5/24/2024, 12:33:39 PM