ホコリをかぶり、
色褪せた物があった。
手で払ってよく見ると
それは日記帳だった。
もう二度と書かないと
あの日閉ざされた日記。
私は物語を作るのが大好きで、
特に既に作った物語と
他の物語をそれとなく繋げるのが
本当に好きだった。
伏線を張っておくこともあれば、
思いつきで繋げることもあった。
物語を書いていたことは
ルーズリーフには収まらないくらい
幸せなひと時だった。
でも私も人だ。
どれだけ書きたいことが
頭に浮かんでも
上手く書き表せなかったり、
書きたいことすら浮かばなかったりと、
私はスランプになった。
あんなに物語を書くのが
好きだったのに
もうペンを握ることさえ
苦痛になっていた。
何を書いても
自分が納得する、
面白いと、
また書きたいと思えるような
満足いくものが書けなかった。
私の書いたものは
誰かに見せていたわけでは
なかったので、
私自身が満足しないと
意味が無かった。
好きだったことが
嫌いになりそうで、
好きなままでいたくて、
私は日記帳や
ルーズリーフに書いていた物語を
隠して閉ざしてしまった。
もう書かない。
いや、書けない、と。
"Good Midnight!"
ずっと忘れていた。
忘れようとしていた。
しかしいつも
頭のどこかで物語を作ろうとしていて、
切っても切れない
私の大切なことになっていた。
久しぶりに持つ
長時間書く用のペンは
何故かまだ感覚が手に馴染んでいた。
1/18/2026, 1:44:59 PM