ℳ.

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彼からの着信。
「窓の外見て」

私は病院の少し高い窓の縁に座り顔を出す。

ケータイを耳に当て見上げて手を振る彼。
隣にはいないが映像ではない彼の顔を見た途端、
パブロフの犬のように条件反射した。

彼の優しい声、穏やかな表情が
2人ですごした日々を思い出させる。

少し他愛もない話をしたあと、
「愛してる。じゃあね。」一言そう言って通話を切り車に向かう彼を窓から見送る。

久しぶりに顔を見れた嬉しさからか、寂しさからかは分からない。ただ、涙が止まらなかった。

『ベルの音』

12/20/2022, 11:47:01 AM