そうめんの中の糸の繊維の細胞

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はなればなれ

まだ、たった4歳なのに。4年しか生きてないのに。
君は小さなからだで、大きな病気と闘って一生懸命に生きようとしていた。
お家に帰れるようになったら、いっしょにお料理して、お風呂を入って、公園に行って、いっぱい走り回って、君の大好きな黄色のワンピースを買いに行こうね、と約束をしていたよね。
けれど、そんなちっぽけな約束すら果たせないまま、君はパパのいるそっちの世界へいってしまったね。
はなればなれになってしまったね。
夫も、娘も失った私は、大雨の中ひたすら道端でひとり涙を流し続けていた。

そこで出会った
道端にぽつんと立っていた小さな少女
どこか君に似ていたから
私は手を差し伸べた
君は、「おかあさん!」と言って何処かほっとした表情で、ぎゅっと抱きついてきたね
そんなはずはないのに

けど、「おかあさん」と言ってくれたことがすごく嬉しくて、一緒に家に帰ったよね。
一緒にカレーライスをつくって、一緒にお風呂も入って、一緒に公園に行って、服が汚れたから君が大好きなピンク色のお洋服を買ったよね、君は毎日それを着て見せて「おかあさん、ありがとう!」と嬉しそうに笑ってくれね。
私が仕事で疲れ切って、寝落ちしちゃったときには、布団をそっとかけてくれたね、
あの布団は世界一あったかかったよ。
当たり前の日常だったかもしれないけど、私にはすごく幸せな毎日だった

「ピンポーン」
チャイム音がなる
「はーい」
と私が出ると、そこには警察官が立っていた。
もう終わりなんだね。もう君とは合うことができないんだね。
私は、察した。
娘の前で手錠をかけられ、連れて行かれると君は、
「おかあさんをつれていかないで!おかあさんやだ!はやればなれやだ!」
とひたすらに、叫び続けていた。私の心にはその声がすごくすごく痛かった。苦しかった。
でも、仕方がない。私はやってはいけない間違えを犯してしまったのだから。
「本当のおかあさんのところで、幸せにね」
私は、ぽつんと、一粒の涙を落とした

11/16/2024, 9:10:57 PM